Restaurante Catedralで作ったまかない

Albondigas de Res con guajillo

まず修行2日目で、いきなりまかないを作ってくれと言われ…

肉を手渡されたので、Albondigasという肉団子を作りました。

日本的なものを作ってあげようかとも思ったのですが、日本人の僕がいきなりメキシコ料理を作ったら面白いかな、とも思ったし、働いているスタッフの人数が多いので、大量に作れて簡単なものにしようと思ったからです。

メキシコ人向けに、ちょっと辛めにしました。

まかないとは言え盛り付けが汚い(笑)

Chefに食べてもらうのは緊張しましたが、美味しいと言って貰えたし、何よりおかわりしてたので嬉しかったです。

それに、サポテコの先住民のお母さんなんて、日本人の僕がメキシコの唐辛子を使って作ったのにびっくりしたみたいで、

「どうやって作ったの?作り方を教えて!」

と何度も言われました(笑)

これはChefと特に良くしてくれたスタッフのみなさん。

みんな喜んでくれて良かった!

 

巻き寿司

修行開始から1週間ほど経ったある日、いきなり寿司を作ってくれと言われ、巻き寿司を作りました。

それというのも、メキシコでは寿司と言ったら、握りではなく、巻き寿司がメジャーなんです。

なんとレストランに日本の米と板海苔、巻き簀、米酢も常備されていてびっくりしました。

僕が10年前にオアハカに来た時は、兄貴分が修行したレストランで少しだけ修行させて貰った事もあるのですが、その頃なんて醤油も無ければ、米酢なんてあるはずがありません。

ここ数年でメキシコでも日本の料理、食材がとても注目されていて、今ではオアハカでも醤油や味噌などを売っているお店もあるくらいです。

日本の米も海苔もあるので、それならと思い巻き寿司を作る事にしました。

まずはメキシコのsetaと呼ばれるキノコとマッシュルームを醤油と砂糖でしぐれ煮にしました。

そして厚焼き卵を作り、細く切りました。

マグロがあったので使おうと思って味見をしたら、やはり日本のマグロと比べると全然味が落ちます。

メニューでマグロの料理もあるのですが、それは刺身ではなくて、やはり火を通したもの。

生で食べて美味しいかと言えばとても美味しいというレベルではありません。

なので、ちょっと醤油で漬け込んで漬けマグロにしました。

そしたら生臭さも消え、凄く美味しくなりました。

さらにキュウリとメキシコ人の好きなアボカドを具材にして巻きました。

そして、寿司につけるお醤油には唐辛子を混ぜて、メキシコの人達が好きそうな感じにしました。

仕事中だったので良い写真がないのですが(笑)

写真ピンボケしてるし(笑)

みんなのまかないなのかな、と思ってたら、jefa(上司や社長)に持って行くと言われてびっくりしました。

それと、案の定、握り寿司は出来ないのか?と聞かれました。

僕は日本の寿司というものはとても奥の深いものだと思っています。

もちろん形だけで、ただ握るのなら出来ない事もありませんが、本職でもない僕はそんな握りだなんて恐れ多くて、出来る、とは口が避けても言えません。

そんな簡単なものではありませんし、僕は日本の寿司職人さんの事はとてもリスペクトしています。

見習いから初めて、握れるようになるには10年はかかる、と言われる寿司の世界。

僕は結局握れる、とは言えませんでした。(きっと僕が変にくそ真面目なんでしょう)

今思えば、普通に握り寿司出来るよとか言って握ってあげたらみんな喜んだのかも知れませんけど、どうしても僕はそういう事はしたく無かったんです。

僕は和食を勉強してた事もあり、素晴らしい日本の寿司というものを良く知っているし、自分の納得の出来ない事はしたく無かったのでしょう。

でもレストランのスーシェフは、俺寿司握れるよ、と言ってました(笑)

そこで日本の寿司の文化の奥深さを説明しても絶対に伝わらないと思うし、握り方1つで味が違ってくると言っても理解して貰えないと思うので、心の中に留めておきました。